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【LET blog 第189号】 (2020年10月10日)
カテゴリー: LET Blog Archives
投稿者: つらい編集長つらい
【LET blog 第189号】
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みなさん、こんにちは。
今月号の支部企画は、関東支部からの「協働ライティングの実施と留意点」です。
それでは、今月号の blog をどうぞご覧ください。
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■ 第189号のもくじ
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■ 第60回全国研究大会のお知らせ
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■ 支部企画
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□ 関東支部:協働ライティングの実施と留意点
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■ 支部研究部会情報
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□ 関西支部
■ 基礎理論研究部会
■ 早期英語教育研究部会 2020年度 第3回例会
■ 電子語学教材開発研究部会 第34回研究会
□ 関東支部
■ 認知科学研究部会 2020年度 第2回講演会
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■ 研究員・研究者・教員公募
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■ 編集後記
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【LET blog 第189号】(続き)
http://j-let.org/~wordpress/index.php?itemid=1785#more
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【LET blog 第189号】
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■ 第60回全国研究大会について
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新型コロナウィルス感染症の影響で延期となっていました第60回全国研究大会を下記のとおり行います。
開 催 日:2021年8月20日(金)-22日(日)
大会テーマ:外国語教育におけるユニバーサルデザインの現状とニーズ
大会はオンラインにて開催します。配信方法等については現在、検討中です。詳細が決まりましたら大会ホームページにてお知らせします。
大会ウェブサイト:https://let2020.sakura.ne.jp
□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 支部企画
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□ 関東支部:協働ライティングの実施と留意点
(橋本 健広,中央大学)
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新学期となり、小中高校は授業が再開されたことと思います。大学はまだまだオンライン授業のところが多いでしょうか。いずれにせよ、今年はこれまでと違う対応を授業でされていることと思います。
21世紀型教育であるとか、主体的な学習を育もうとして、あるいは教育に新しい期待を抱いて協働学習を取り入れている先生方も多いかと思います。Kahoot! などのツールを利用して同時型リーディングの実践を行ったり、ペアの片方だけに映像を見せてその内容を相方に英語で伝えるスピーキング・リスニング実践など、工夫は尽きないことと思います。協働学習は、学習者同士が互いに外国語の能力を向上しあうものですので、教師が教科内容に権威を持つか否か、システマティックな学習活動か否か、社会構築主義にもとづくか否かにかかわらず(こうした観点で協同学習Collaborative Learningや共同学習Cooperative Learningなどと区分けされますが)、いかようにも実践できます。教師の腕の見せ所と同時に、頭の痛い課題でもあります。
研究部会では、協働ライティングに焦点を当てた活動を行なってきました。協働ライティングとは、協働学習におけるライティング活動であり、二人以上の書き手が協働して1つのテキストを書くことです(Storch, 2013)。オンライン上では、Google ドキュメント、OneNote、Quip、Scrapbox などの同期的文書作成ツールを使用して実施することができます。
協働ライティングでは、学習者がどのように学習を行なっているか教師が把握しにくい点が問題だと思います。しかしながら、協働ライティングの学習活動についていくつかのことがわかるようになっています。以下主に Yim and Warschauer(2017) を参考にまとめています。例えば、学習者の行動や様態の類型は次のようなパターンがあります。
1) 課題の進め方。一人が書いた後、次の学習者が続きを書くといった連続型、各学習者が担当部分を書く並行型、一人の学習者がほとんどすべてを書く一人型など
2) 活動内容の変化。ブレインストーミング、実作業、振り返りの段階など
3) ペア同士の関係性。親密さと平等性など
またできあがった成果物に目を向けると、複雑で一貫性のあるテキストとなっているかを確認することが重要な教育的視点とされています。
一方、学習者に視点を移すと、個人あるいはグループとしての心理的側面が浮かびあがります。
1) 教室外の聴衆がいると学習者によい影響を与える(Debski, 2006)
2) 書きかけの作文を人に見られるのを嫌がる場合がある
3) 他人の文章を構成するのに抵抗がある学習者がいる
4) 学習活動に参加しない学生がいると他の学習者が不公平感を抱く
教師は上記のような点に留意して、協働ライティングを実施していくことになるかと思います。
協働ライティングの理論的基盤の一つに、ヴィゴツキーの社会文化理論があります。その一つが、学習者はより高次の個人と交わることにより、現在の能力を潜在的に向上可能な能力へと近づけるという再近接発達領域です(Vygotsky, 1978)。先生や友達が背中を押してくれることで、もやもやしていたことがはっきりできるようになるという考え方です。これを促す工夫を施せることができれば、教師として協働ライティングは成功したといえるような気がしますが、いかがでしょうか。
参考文献
・Debski, R. (2006), Project-based language teaching with technology, Sydney: National Centre for English Language Teaching and Research, Macquarie Univ.
・Storch, N. (2013), Collaborative writing in L2 classrooms, Bristol: Multilingual Matters.
・Yim, S. & Warschauer, M. (2017), "Web-based collaborative writing in L2 contexts: Methodological insights from text mining", Language Learning & Technology, Vol. 21, No. 1, pp. 146-165.
・Vygotsky, L. S. (1978), Mind in society, Cambridge, Massachusetts: Harvard Univ. Press.
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■ 支部研究部会情報
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□ 関西支部
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■ 基礎理論研究部会
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『フォーミュラと外国語学習・教育』出版記念オンラインシンポジウム
For information in English, please click on the following link:
http://let-kansai-fmt-sig.blogspot.com/2020/09/publication-launch-symposium-october.html
昨今国内外で注目を集めるフォーミュラ連鎖(2語以上の定型表現)についての6年に及ぶ大規模プロジェクト研究の集大成として、入門的研究書『フォーミュラと外国語学習・教育 ―定型表現研究入門』(Formulaic Sequences in Foreign Language Learning and Education: An Introduction)がくろしお出版より刊行されます。出版を記念して公開シンポジウムを開催しますため、ご案内いたします。主催者は外国語教育メディア学会(LET)関西支部
基礎理論研究部会です。
日 時:2020年10月11日(日)9:30AM-11:40AM
会 場:オンライン開催(Zoom活用)
参加費:無料
参加者特典:本案内下部をご参照ください。
言 語:日本語
イベントURL:https://let-kansai-fmt-sig.blogspot.com/p/symposium2020.html
◇下記リンクより事前参加登録が必要です◇:
https://zoom.us/meeting/register/tJEtc-qhqDopGd2NjlZAsVtSgYxZ4mYnZkuT
【当日のスケジュール】
9:10- 開場
9:30- 開会の挨拶
9:45- 磯辺 ゆかり (京都精華大学)
「フォーミュラ入門」
10:10- 杉浦 香織 (立命館大学)
「フォーミュラ親密度研究」
10:35- ラフラー ルイ (立命館大学)
「ISRS(間接的間隔反復システム)を活用したフォーミュラ電子教材の可能性」
11:00- 門田 修平 (関西学院大学)
「フォーミュラをベースにした第二言語習得モデルに向けて」
11:25- 質疑応答
11:40- 閉会
*コーディネーター(司会):金澤 佑 (関西学院大学)
*個々の発表や質疑応答の開始時間は進行の状況により前後する可能性がございます。
※シンポジウム終了後の同日12:50より、ことばの科学会主催の「オープンフォーラム2020(第12回年次大会)」がZoomで開催されます。テーマは「第二言語の潜在的学習(Implicit
Learning in SLA)」です。よろしければこちらも合わせてご参加ください。詳細は事前参加登録画面をご参照ください。
出版物情報:
金澤 佑(編)(2020)『フォーミュラと外国語学習・教育:定型表現研究入門』東京:くろしお出版
https://www.9640.jp/book_view/?834
-------------------------------
★特典情報★
ご参加いただいた方限定で、下記リンク先から割引価格で本書をご購入いただけます。
https://www.9640.jp/formura_symposium/
-------------------------------
多くの方のご参加を、お待ちしております!
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■ 早期英語教育研究部会 2020年度 第3回例会
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(対面およびオンライン同時開催)
※コロナ感染拡大の影響により、交流センターが使用できない場合は、Web開催のみとなる可能性がありますのでご了承下さい。
日 時: 2020年10月17日(土)13:00~17:30
会 場:
1) 大阪市立大学文化交流センター小セミナー室 (大阪駅前第2ビル6階)
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/university/access#umeda
2) Web Meeting (Zoom)
※会場の参加者数の把握のため、ご出席の場合は、下記のGoogle Form にて参加登録をお願い致します。
(Zoom参加の先生方には、後日ミーティングIDとパスワードをお知らせします。)
https://forms.gle/5fDhYtfrnJgHohKg6
内容:早期英語教育に関する概論書の輪読および発表
1.文献輪読
Learning Foreign Languages in Primary School: Research Insights Gracia Mayo, M. P. (ed) (2017): Channel View Publications /UK
□ Chapter 1: Factors Affecting the Speed of Word Retrieval in Children Learning English as a Foreign Language
担当:井狩幸男先生(大阪市立大学)
□ Chapter 2: Raising Children's Metalinguistic Awareness to Enhance Classroom Second Language Learning
担当:眞崎克彦先生(神戸親和女子大学)
2. ミニ講義 「役立つ脳教室」
担当:井狩幸男先生 (大阪市立大学)
【2020年度の研究会の日程】
第3回 2020年10月17日(土)
第4回 2020年12月19日(土)
第5回 2021年1月30日(土)
第6回 2020年3月※淡路島合宿(予定)
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■ 電子語学教材開発研究部会 第34回研究会
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※本研究会はオンラインで実施します。
※ご参加には、Zoomアカウントが必要です。事前にご準備ください。
Zoom:https://zoom.us/
全国どこからでも、どなたでも、お気軽にご参加いただけます!
【研究会の概要】
日 時: 2020年10月24日(土)午後16:00~18:00
場 所:Zoomのアクセス情報は開催日前に電語研Facebookページ内および電語研Slack内で告知いたします。
内 容:「Explain Everythingで解説動画を作ってみよう!」
コロナ騒動により教育環境のデジタル化、ICT化が急速に進んでいます。中でも注目を集めているものは動画というメディアの活用です。本研究会では、動画メディアの教育活用について全般的な理解を深めるとともに、一歩踏み込んで、タブレット端末に直接書き込んで解説動画を作成できるアプリ「Explain
Everything」の具体的な使い方をご紹介します。
iPadとApple Pencilをお持ちの方は教育版Explain Everything「Explain
Edu」をご参加前にインストールいただけますとワークショップとしてご参加可能です。
Explain EDU (App Store)
https://apps.apple.com/jp/app/explain-edu/id431493086
1. はじめに:木村修平(立命館大学生命科学部准教授)
2. Explain Everythingの使い方ワークショップ
3. 質疑応答&情報交換
【電語研の各種リンク】
電語研Facebookグループ:
https://www.facebook.com/groups/dengoken/
電語研Slack:
https://dengoken.slack.com/
(未加入の方はFacebookグループで告知される招待リンクからご登録ください)
ご不明な点は部会長の木村までご連絡ください。
木村メールアドレス:kimuras fc.ritsumei.ac.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ 関東支部
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■ 認知科学研究部会 2020年度 第2回講演会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
テーマ:「コロナ禍中のSociety 5.0時代におけるAIと英語教育 -Dominus illuminatio mea-」
日 時:2020年10月31日(土)14:00-15:30
場 所:Zoom 講演会
※関東支部ウェブサイト:認知科学研究部会の項目で詳細をご確認ください。
講 師:青山学院大学経済学部教授 小張敬之先生
参加申し込みフォーム:
参加ご希望の方は、以下の URL より参加申し込みフォームを送信してください。
締 切:10月28日(水)
https://forms.gle/7aD7djLbZKWiTXkC6
皆様のご参加をお待ち致しております。
□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 研究員・研究者・教員公募
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JREC-IN の公募情報を「外国語教育」で検索した結果です。
https://goo.gl/fvDGx6
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■ 編集後記
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今日は Guinness の日...。(献杯)
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□LET blog(旧メルマガ)のバックナンバーは、LET blog・アーカイブで閲覧できます。
http://j-let.org/~wordpress/index.php?catid=22&blogid=1
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☆更新案内のお知らせ停止・アドレス変更は、以下 URL にてお願いいたします。
http://www.j-let.org/→「LET メールマガジン」
→「ご案内」
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LET blog 委員会
【関東支部】
若有 保彦(秋田大学)
森谷 祥子(東京大学大学院生)
【中部支部】
伊藤 佳貴(大同大学大同高等学校)
吉川 りさ(名古屋工業大学)
【関西支部】
神谷 健一(大阪工業大学)
深田 將揮(神戸学院大学)
【九州・沖縄支部】
麻生 雄治(大分大学)
筒井 英一郎(北九州市立大学)
【LET blog 編集責任者】
阪上 辰也 (広島大学)
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みなさん、こんにちは。
今月号の支部企画は、関東支部からの「協働ライティングの実施と留意点」です。
それでは、今月号の blog をどうぞご覧ください。
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■ 第189号のもくじ
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■ 第60回全国研究大会のお知らせ
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■ 支部企画
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□ 関東支部:協働ライティングの実施と留意点
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■ 支部研究部会情報
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□ 関西支部
■ 基礎理論研究部会
■ 早期英語教育研究部会 2020年度 第3回例会
■ 電子語学教材開発研究部会 第34回研究会
□ 関東支部
■ 認知科学研究部会 2020年度 第2回講演会
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■ 研究員・研究者・教員公募
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■ 編集後記
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【LET blog 第189号】(続き)
http://j-let.org/~wordpress/index.php?itemid=1785#more
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【LET blog 第189号】
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■ 第60回全国研究大会について
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新型コロナウィルス感染症の影響で延期となっていました第60回全国研究大会を下記のとおり行います。
開 催 日:2021年8月20日(金)-22日(日)
大会テーマ:外国語教育におけるユニバーサルデザインの現状とニーズ
大会はオンラインにて開催します。配信方法等については現在、検討中です。詳細が決まりましたら大会ホームページにてお知らせします。
大会ウェブサイト:https://let2020.sakura.ne.jp
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■ 支部企画
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□ 関東支部:協働ライティングの実施と留意点
(橋本 健広,中央大学)
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新学期となり、小中高校は授業が再開されたことと思います。大学はまだまだオンライン授業のところが多いでしょうか。いずれにせよ、今年はこれまでと違う対応を授業でされていることと思います。
21世紀型教育であるとか、主体的な学習を育もうとして、あるいは教育に新しい期待を抱いて協働学習を取り入れている先生方も多いかと思います。Kahoot! などのツールを利用して同時型リーディングの実践を行ったり、ペアの片方だけに映像を見せてその内容を相方に英語で伝えるスピーキング・リスニング実践など、工夫は尽きないことと思います。協働学習は、学習者同士が互いに外国語の能力を向上しあうものですので、教師が教科内容に権威を持つか否か、システマティックな学習活動か否か、社会構築主義にもとづくか否かにかかわらず(こうした観点で協同学習Collaborative Learningや共同学習Cooperative Learningなどと区分けされますが)、いかようにも実践できます。教師の腕の見せ所と同時に、頭の痛い課題でもあります。
研究部会では、協働ライティングに焦点を当てた活動を行なってきました。協働ライティングとは、協働学習におけるライティング活動であり、二人以上の書き手が協働して1つのテキストを書くことです(Storch, 2013)。オンライン上では、Google ドキュメント、OneNote、Quip、Scrapbox などの同期的文書作成ツールを使用して実施することができます。
協働ライティングでは、学習者がどのように学習を行なっているか教師が把握しにくい点が問題だと思います。しかしながら、協働ライティングの学習活動についていくつかのことがわかるようになっています。以下主に Yim and Warschauer(2017) を参考にまとめています。例えば、学習者の行動や様態の類型は次のようなパターンがあります。
1) 課題の進め方。一人が書いた後、次の学習者が続きを書くといった連続型、各学習者が担当部分を書く並行型、一人の学習者がほとんどすべてを書く一人型など
2) 活動内容の変化。ブレインストーミング、実作業、振り返りの段階など
3) ペア同士の関係性。親密さと平等性など
またできあがった成果物に目を向けると、複雑で一貫性のあるテキストとなっているかを確認することが重要な教育的視点とされています。
一方、学習者に視点を移すと、個人あるいはグループとしての心理的側面が浮かびあがります。
1) 教室外の聴衆がいると学習者によい影響を与える(Debski, 2006)
2) 書きかけの作文を人に見られるのを嫌がる場合がある
3) 他人の文章を構成するのに抵抗がある学習者がいる
4) 学習活動に参加しない学生がいると他の学習者が不公平感を抱く
教師は上記のような点に留意して、協働ライティングを実施していくことになるかと思います。
協働ライティングの理論的基盤の一つに、ヴィゴツキーの社会文化理論があります。その一つが、学習者はより高次の個人と交わることにより、現在の能力を潜在的に向上可能な能力へと近づけるという再近接発達領域です(Vygotsky, 1978)。先生や友達が背中を押してくれることで、もやもやしていたことがはっきりできるようになるという考え方です。これを促す工夫を施せることができれば、教師として協働ライティングは成功したといえるような気がしますが、いかがでしょうか。
参考文献
・Debski, R. (2006), Project-based language teaching with technology, Sydney: National Centre for English Language Teaching and Research, Macquarie Univ.
・Storch, N. (2013), Collaborative writing in L2 classrooms, Bristol: Multilingual Matters.
・Yim, S. & Warschauer, M. (2017), "Web-based collaborative writing in L2 contexts: Methodological insights from text mining", Language Learning & Technology, Vol. 21, No. 1, pp. 146-165.
・Vygotsky, L. S. (1978), Mind in society, Cambridge, Massachusetts: Harvard Univ. Press.
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■ 支部研究部会情報
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□ 関西支部
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■ 基礎理論研究部会
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『フォーミュラと外国語学習・教育』出版記念オンラインシンポジウム
For information in English, please click on the following link:
http://let-kansai-fmt-sig.blogspot.com/2020/09/publication-launch-symposium-october.html
昨今国内外で注目を集めるフォーミュラ連鎖(2語以上の定型表現)についての6年に及ぶ大規模プロジェクト研究の集大成として、入門的研究書『フォーミュラと外国語学習・教育 ―定型表現研究入門』(Formulaic Sequences in Foreign Language Learning and Education: An Introduction)がくろしお出版より刊行されます。出版を記念して公開シンポジウムを開催しますため、ご案内いたします。主催者は外国語教育メディア学会(LET)関西支部
基礎理論研究部会です。
日 時:2020年10月11日(日)9:30AM-11:40AM
会 場:オンライン開催(Zoom活用)
参加費:無料
参加者特典:本案内下部をご参照ください。
言 語:日本語
イベントURL:https://let-kansai-fmt-sig.blogspot.com/p/symposium2020.html
◇下記リンクより事前参加登録が必要です◇:
https://zoom.us/meeting/register/tJEtc-qhqDopGd2NjlZAsVtSgYxZ4mYnZkuT
【当日のスケジュール】
9:10- 開場
9:30- 開会の挨拶
9:45- 磯辺 ゆかり (京都精華大学)
「フォーミュラ入門」
10:10- 杉浦 香織 (立命館大学)
「フォーミュラ親密度研究」
10:35- ラフラー ルイ (立命館大学)
「ISRS(間接的間隔反復システム)を活用したフォーミュラ電子教材の可能性」
11:00- 門田 修平 (関西学院大学)
「フォーミュラをベースにした第二言語習得モデルに向けて」
11:25- 質疑応答
11:40- 閉会
*コーディネーター(司会):金澤 佑 (関西学院大学)
*個々の発表や質疑応答の開始時間は進行の状況により前後する可能性がございます。
※シンポジウム終了後の同日12:50より、ことばの科学会主催の「オープンフォーラム2020(第12回年次大会)」がZoomで開催されます。テーマは「第二言語の潜在的学習(Implicit
Learning in SLA)」です。よろしければこちらも合わせてご参加ください。詳細は事前参加登録画面をご参照ください。
出版物情報:
金澤 佑(編)(2020)『フォーミュラと外国語学習・教育:定型表現研究入門』東京:くろしお出版
https://www.9640.jp/book_view/?834
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★特典情報★
ご参加いただいた方限定で、下記リンク先から割引価格で本書をご購入いただけます。
https://www.9640.jp/formura_symposium/
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多くの方のご参加を、お待ちしております!
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■ 早期英語教育研究部会 2020年度 第3回例会
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(対面およびオンライン同時開催)
※コロナ感染拡大の影響により、交流センターが使用できない場合は、Web開催のみとなる可能性がありますのでご了承下さい。
日 時: 2020年10月17日(土)13:00~17:30
会 場:
1) 大阪市立大学文化交流センター小セミナー室 (大阪駅前第2ビル6階)
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/university/access#umeda
2) Web Meeting (Zoom)
※会場の参加者数の把握のため、ご出席の場合は、下記のGoogle Form にて参加登録をお願い致します。
(Zoom参加の先生方には、後日ミーティングIDとパスワードをお知らせします。)
https://forms.gle/5fDhYtfrnJgHohKg6
内容:早期英語教育に関する概論書の輪読および発表
1.文献輪読
Learning Foreign Languages in Primary School: Research Insights Gracia Mayo, M. P. (ed) (2017): Channel View Publications /UK
□ Chapter 1: Factors Affecting the Speed of Word Retrieval in Children Learning English as a Foreign Language
担当:井狩幸男先生(大阪市立大学)
□ Chapter 2: Raising Children's Metalinguistic Awareness to Enhance Classroom Second Language Learning
担当:眞崎克彦先生(神戸親和女子大学)
2. ミニ講義 「役立つ脳教室」
担当:井狩幸男先生 (大阪市立大学)
【2020年度の研究会の日程】
第3回 2020年10月17日(土)
第4回 2020年12月19日(土)
第5回 2021年1月30日(土)
第6回 2020年3月※淡路島合宿(予定)
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■ 電子語学教材開発研究部会 第34回研究会
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※本研究会はオンラインで実施します。
※ご参加には、Zoomアカウントが必要です。事前にご準備ください。
Zoom:https://zoom.us/
全国どこからでも、どなたでも、お気軽にご参加いただけます!
【研究会の概要】
日 時: 2020年10月24日(土)午後16:00~18:00
場 所:Zoomのアクセス情報は開催日前に電語研Facebookページ内および電語研Slack内で告知いたします。
内 容:「Explain Everythingで解説動画を作ってみよう!」
コロナ騒動により教育環境のデジタル化、ICT化が急速に進んでいます。中でも注目を集めているものは動画というメディアの活用です。本研究会では、動画メディアの教育活用について全般的な理解を深めるとともに、一歩踏み込んで、タブレット端末に直接書き込んで解説動画を作成できるアプリ「Explain
Everything」の具体的な使い方をご紹介します。
iPadとApple Pencilをお持ちの方は教育版Explain Everything「Explain
Edu」をご参加前にインストールいただけますとワークショップとしてご参加可能です。
Explain EDU (App Store)
https://apps.apple.com/jp/app/explain-edu/id431493086
1. はじめに:木村修平(立命館大学生命科学部准教授)
2. Explain Everythingの使い方ワークショップ
3. 質疑応答&情報交換
【電語研の各種リンク】
電語研Facebookグループ:
https://www.facebook.com/groups/dengoken/
電語研Slack:
https://dengoken.slack.com/
(未加入の方はFacebookグループで告知される招待リンクからご登録ください)
ご不明な点は部会長の木村までご連絡ください。
木村メールアドレス:kimuras
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□ 関東支部
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■ 認知科学研究部会 2020年度 第2回講演会
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テーマ:「コロナ禍中のSociety 5.0時代におけるAIと英語教育 -Dominus illuminatio mea-」
日 時:2020年10月31日(土)14:00-15:30
場 所:Zoom 講演会
※関東支部ウェブサイト:認知科学研究部会の項目で詳細をご確認ください。
講 師:青山学院大学経済学部教授 小張敬之先生
参加申し込みフォーム:
参加ご希望の方は、以下の URL より参加申し込みフォームを送信してください。
締 切:10月28日(水)
https://forms.gle/7aD7djLbZKWiTXkC6
皆様のご参加をお待ち致しております。
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■ 研究員・研究者・教員公募
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JREC-IN の公募情報を「外国語教育」で検索した結果です。
https://goo.gl/fvDGx6
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■ 編集後記
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今日は Guinness の日...。(献杯)
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□LET blog(旧メルマガ)のバックナンバーは、LET blog・アーカイブで閲覧できます。
http://j-let.org/~wordpress/index.php?catid=22&blogid=1
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☆更新案内のお知らせ停止・アドレス変更は、以下 URL にてお願いいたします。
http://www.j-let.org/→「LET メールマガジン」
→「ご案内」
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LET blog 委員会
【関東支部】
若有 保彦(秋田大学)
森谷 祥子(東京大学大学院生)
【中部支部】
伊藤 佳貴(大同大学大同高等学校)
吉川 りさ(名古屋工業大学)
【関西支部】
神谷 健一(大阪工業大学)
深田 將揮(神戸学院大学)
【九州・沖縄支部】
麻生 雄治(大分大学)
筒井 英一郎(北九州市立大学)
【LET blog 編集責任者】
阪上 辰也 (広島大学)