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【LET blog 第214号】 (2022年11月10日)

カテゴリー: LET Blog Archives
【LET blog 第214号】
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みなさん、こんにちは。

寒暖差の激しい日が多き、体調管理に用心したい今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

今月号の支部企画は、中部支部からの、「Diversity and Inclusion」は「Inclusion and Diversity」とは言えないのか?、です。

それでは、今月号の blog をどうぞご覧ください。

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■ 第214号のもくじ
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■ 支部企画:中部支部「Diversity and Inclusion」は「Inclusion and Diversity」とは言えないのか?
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■ 支部研究大会・支部総会情報
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□ 九州・沖縄支部
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■ 支部研究部会情報
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□ 関東支部
 ■ 認知科学研究部会 2022年度第1回講演会
□ 関西支部
 ■ 中高授業研究部会 12月例会
 ■ 早期英語教育研究部会 2022年度 第4回例会
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■ 研究員・研究者・教員公募
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■ 編集後記
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【LET blog 第214号】(続き)
http://j-let.org/~wordpress/index.php?itemid=1810#more


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【LET blog 第214号】
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■ 支部企画
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□ 中部支部:「Diversity and Inclusion」は「Inclusion and Diversity」とは言えないのか?
  (石川有香,名古屋工業大学)
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この数年で、D & I や Diversity and Inclusion という表現をあちこちで目にするようになりました。「多様性と包摂」と訳されることが多いようです。しかしながら、その意味を問われると、はっきりとしないように思われます。いったい、等位接続詞の and を挟んだ2つの単語はどのようにつながっているのでしょう。

世の中の人々の「多様性」を認めた後に、多様な人々を「包摂」しましょうというのでしょうか。「多様性」を認めることと、「包摂」することは別のものだというのでしょうか。そもそも「包摂」には、「包摂する側」と「包摂される側」の存在が考えられます。たとえば、男性中心の社会において、社会の担い手として女性を「包摂」するという場合に、「包摂された側」の女性に、平等な自由と権利は保証されるのでしょうか。また、包摂後の世界に「多様性」はあるのでしょうか。A and B ですので、B and A としても良いのでしょうか。

"D & I"を調べてみますと、現在、学校や地方行政では、働き方改革や女性活躍推進法、また、多様な性に言及する文脈の中で使用されていてる場合が多いようです。すでに多くの大学に「D & Iセンター」が設置されて、性別、性自認、性指向、国籍、年齢、障害の有無などにかかわらず、それぞれが活躍できる環境づくりが行われているとされます。LGBTQ +の学生や職員への支援活動も見られますが、「男女平等」や「女性登用」に重点を置いた活動が中心となっていて、Gender Equality(男女平等)に焦点が当てられていると言えそうです。

性の多様性に対する取り組みを調べると、海外の学校では、入学時に、自分をどのように呼んで欲しいのかを示す代名詞を登録させる活動が散見されます。そういえば、近年、学会や研究グループでも、入会者に、代名詞の登録を求める場合が出てきました。ジェンダー・ニュートラルな代名詞として作られた ze や、Miss/Mrs/Ms や Mr に代わる敬称のMxを記載する辞書も増えてきました。筆者の勤務先では、「多様な性を包摂する」環境構築を目的として、学内で使用する名前を選択することができるようになりました。同様の取り組みを行っている大学も多くみられます。このような方向性には、もちろん、賛成ですが、しかし、判で押したように、同種の取り組みを行っているD & Iセンターの活動報告書を見ていると、ふと、「違和感」を覚えました。

D & Iセンターが各大学にそろい、形が整えられれば整えられるほど、「違和感」は大きくなります。「包摂する側」では、とりあえず、男女の数をそろえておこう、とりあえず、女性も数名加えておこう、とりあえず、多様な性にも配慮を示し、敬称や代名詞や名前の希望欄を作っておこう、と「画一的」な対処を行っているように見えてきました。「これ以上、何を求めるのだ」と言われそうですが、"Diversity and Inclusion" の使用頻度が高い割に、意味がよくわからないということに、不安が付き纏います。そこに、「多様性」や「包摂」に関する議論が見られないからかもしれません。

そこで、"Inclusion and Diversity"という表現を調べてみると、特に海外では、高頻度で使用されていることが分かりました。Inclusionに重点を置くためにこのような表現を使っているという説明を行っている場合もありました。また、"Inclusion and Equity"や"Equity and Inclusion"として、Inclusion と共に Equity の重要性を訴えているものがありました。なお、Equity(公平)とEquality(平等)の違いは次のように説明されています。

Equality(平等)は、段差があった時に、皆に、同じ踏み台を提供する活動となります。しかし、中には、自分で飛び越えることができる人もいます。一方で、車いすを利用している人は、踏み台を利用して上って行くことができません。いずれの場合も踏み台は利用されず、無駄になります。Equity(公平)では、それぞれ異なる状態にある人々が、等しく段差を上って行くことができるように、必要な人に必要なものを提供します。車いすの利用者には、他の人とは異なる傾斜台を用意することになります。さらに、誰もが、前に進むことができるように段差そのものを解消していくことを目指します。「包括」後の「多様性」を認め、「包括する側」が「包括される」ことで、やっと、社会に変化が生まれる、ということではないでしょうか。

今、学校教育では、様々な「多様性」が求められています。学習者の多様性を認め、学習者が多様な他者と協働して目標に向かうことができるように、多様な活動を交えた、多様な教え方が期待されています。評価も多角的に行わなければなりません。学校の中だけでも、「無限の多様性」が考えられると言えそうです。多文化共生時代の次世代を育てる学校教育という場において、「包摂」と「公平」をどう目指していくのか、どのように学校社会を変えていくのか。しっかりとした議論を行うべき時が来ているように感じました。

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■ 支部研究大会・支部総会情報
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■ 九州・沖縄支部 2023年度支部研究大会の一次案内
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LET九州沖縄支部第50回研究大会
期 日:2023年6月10日(土)
会 場:福岡大学 (〒814-0180 福岡市城南区七隈8丁目19-1)
大会テーマ:「Z世代のデジタルリテラシーを活かした外国語教育―ポストZ世代を視野に入れて―」

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■ 支部研究部会情報
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□ 関東支部
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■ 認知科学研究部会 2022年度第1回講演会
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【テーマ】「Web 3.0/メタバース/Society 5.0/DX時代の英語教育」
【日時】2022年 11月19日 (土) 13:00 ~ 14:30   
【場所】Zoom講演会 
※関東支部HP:認知科学研究部会の項目で詳細をご確認ください。
http://www.kanto.j-let.org/research-list/researchsect06/
【講師】小張敬之先生(青山学院大学経済学部客員教授・名誉教授)
    山本 真司先生(青山学院大学経済学部教授)
佐竹 由帆先生(青山学院大学経済学部准教授)
【参加申し込みフォーム】
参加ご希望の方は、上記URL内より参加申し込みフォームを送信してください。
締め切り 11月17日(水)
※非会員の方の参加も可能です。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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□ 関西支部
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■ 中高授業研究部会 12月例会
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外国語教育メディア学会関西支部中高授業研究部会12月例会/京都教育大学英語の教え方研究会:自由と創造 第8回例会
日 時:12月11日(日)15:00〜16:30 *Zoomによるオンライン開催
内 容:
「表象主義をのりこえる読みの指導:時空について」西本有逸(京都教育大学)
「「検定教科書・Graded Readers」と「絵本」の読書の両輪で進める英語の授業の意義と方法」水野邦太郎(神戸女子大学)
参加費:無料(要予約)
申込み締切:12月10日
申込み・問合せ:京都教育大学・西本有逸
yuitsu kyokyo-u.ac.jp

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■ 早期英語教育研究部会 2022年度 第4回例会
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日 時: 2022年12月17日(土)13:00~17:00
場 所:1) 大阪市立大学文化交流センター小セミナー室 (大阪駅前第2ビル6階)
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/university/access#umeda
※検温、アルコール消毒、マスクの着用をお願い致します。
※状況によりオンライン開催のみとなる可能性があります。
 2) ZOOM(ZOOM参加のURLはメールにてお知らせ致します)
(お願い)ご参加の際は参加登録をお願い致します。

<例会参加登録用Google Form> https://forms.gle/YSmpjkWH1PcE6b526

内 容:早期英語教育に関する概論書の輪読および発表
1.文献輪読
Ethical and Methodological Issues in Researching Young Language Learners in School Contexts (Early Language Learning in School Contexts)
Annamaria Pinter, Kuchah Kuchah (eds) (2021): Multilingual Matters Ltd

□12. The Ethical Practices of Collecting Informed Consent from Child Participants in Action Research Projects
担当:泉惠美子(関西学院大学)

□13. Revisiting and Expanding Opportunities for Participatory Research with Young Learners in school Contexts
担当:星原光江先生(京都光華女子大学)

2. ミニ講義 「役立つ脳教室」
担当:井狩幸男先生 (大阪公立大学)

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■ 研究員・研究者・教員公募
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JREC-IN の公募情報を「外国語教育」で検索した結果です。
https://goo.gl/fvDGx6

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■ 編集後記
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センター長になんでもかんでも連絡とか相談しないでほしいのですがががが

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http://j-let.org/~wordpress/index.php?catid=22&blogid=1
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LET blog 委員会
【関東支部】
 若有 保彦(秋田大学)
 森谷 祥子(東京大学大学院生)
【中部支部】
 伊藤 佳貴(大同大学大同高等学校)
 吉川 りさ(名古屋工業大学)
【関西支部】
 神谷 健一(大阪工業大学)
 今尾 康裕(大阪大学)
【九州・沖縄支部】
 麻生 雄治(大分大学)
 竹安 大 (福岡大学)
【LET blog 編集責任者】
 阪上 辰也 (広島大学)

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