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(2010年04月10日)

カテゴリー: General
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■ 支部企画コーナー No. 41 九州・沖縄支部
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EUROCALL 2010に参加して
中野 秀子 (九州女子大学)

私は2010年9月8-11日にBordeaux 2 Victorire Campusで開催されたEUROCALL
2010に参加し,発表して参りましたので,ご報告をいたします.

開催地のボルドーはフランスの南西部に位置し,ジロンド県の県庁所在地で,
人口約75万人,フランスの7番目の大都市です.ガロンヌ河に沿う古くから開
けた都市で,ワインの産地として知られ,2009年に世界遺産に指定されています.

私はシャルル・ドゴール空港からモンパルナス駅へ移動しTGVでボルドー・サン・
ジャン駅へと向かいました.ボルドー近郊では窓外に青々としたサンテ・ミリオン
の収穫直前のぶどう畑が広がり,ガロンヌ河の向こうにサン・ミッシェル教会の
高い尖塔が見えました.後日知ったことですが,パリから飛行機でボルドーに入っ
た先生方はシャルル・ドゴール空港のストライキで翌日の飛行機で来られたそうです.

ボルドー大学は1441年に創設され,現在は6万人の学生を擁し,第一大学から第四大
学まであります.1970年の大学改革で学部制がなくなり,今回の学会は第四大学の
Institut Universitaire de Formation des Maîtres, IUFM(University Institute for
Teachers Training)によって運営され,会場は社会学・心理学・医学・保健学医学な
どの学科で構成されている第二大学でした.また,ボルドー市は1982年に福岡市と
姉妹都市の締結をしています.

さて,本題に入りましょう.今回のEUROCALL 2010の メインテーマは“Languages, cultures
and virtual communities”で,Keynote 3件,symposium 3件, parallel sessions
154件, poster
41件という大きな大会でした.List of Authors によると,日本の大学や研究機関から
鈴木千鶴子先生(長崎純心大学),野沢和典・西納春雄先生(立命館大学),原島秀人先生
(前橋工科大学)、岩田淳先生(島根大学),小張敬之先生(青山学院大学)をはじめ
46人がauthorとして表記されていました.発表内容(paper)の内訳は
Learner communities, the web and corpora(13)
Distance learning, collaborative learning and mobile learning(18)
Managing multimedia environments(5),
Assessment, feedback and guidance in schools and universities(13),
Corpora: compiling, sorting and studying corpora that integrate online
communication(5)
Intercultural competence and language learning (9),
Online multimodal communication and language learning(12),
Research methodologies and action research(3)
Virtual worlds(4),
Formal and informal language learning(6),
Networked language learning in adult education(1),
Building international/regional partnerships for networked language learning(3),
New language learning communities (4),
Pedagogical changes brought about by ICT integration (27)
Innovative e-learning solutions for languages(31)で,
約3分の1がICTとe-learning関連でした.EUROCALLの創立者の1人である
G.Davies先生の Keynote speech,“Where have we been, where are we now,
and where are we going?” ではCALLの現在までと今後の展望について,オスロ大学の
A.Gimeno先生の “Collective cognition: A case for CALL?”ではまさにCALLから
CMC,ICT,wikiとCALLからcollective cognition とmass collaborationに変遷してい
る現状を分析し教育的示唆を提示されました.

私はポスターセッションで“Online ESP database for writing”というタイトルで
自作の投稿型のESP用のwriting 表現databaseのシステムを紹介しその教育実践に
ついて発表しました.同じポスターセッションで立命館大学の野沢先生をはじめ
ポスター発表者同志での質疑応答(座談会)も有意義でした.その中で現在ボルドー
大学非常勤で日本語を教えていらっしゃる富樫由美子先生にも出会いました.
EU諸国のcollaborationを強く感じた有意義な学会でした.もちろんcoffee break,
lunch,& dinner にはワインが出され,そちらの方も有意義でした.以上ご報告いたします.

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