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No. 33 支部企画:九州・沖縄支部 (2010年08月10日)

カテゴリー: General
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★支部企画コーナー No. 33 九州・沖縄支部
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☆第40回九州・沖縄支部研究大会 プロジェクト報告
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研究テーマ:日本人中学生の「書く力」を高める授業のあり方の研究
  ―「論理の一貫性と意味のある英文を書く力」の育成をめざして― 
研究代表者:冨永 美喜(福岡市立香椎第1中学校)。
2008・2009年度の2カ年にわたり、外国語教育メディア学会九州・沖縄支
部プロジェクトの指定を受け、上記のテーマで研究を行った。

川尻 徳(久留米工業大学)、堤 琴恵(福岡市立和白中学校)と冨永の3名で
本プロジェクトを進めた。
国立教育政策研究所の調査結果をうけて、「話題の一貫性を意識させる」「代名詞
や接続詞を用いた文と文のつなぎ方」の2点について指導の必要性が指摘された。
本研究では、日本人中学生の「書く力」を高める授業のあり方を研究する上で
①「文相互の関係性」②「伝える相手と伝える内容の明確性」の2点に注目した。
授業でProcess Writingの方法を取り入れて指導を行い、Process Writingの有効性
を検証した。
研究対象は、中学2年生で週1時間の選択教科「英語」の授業で指導を行いながら
研究を行った。

研究の調査方法を5点設定した。
1.Pre-testと事前アンケートの実施。
2.「本研究における観点別評価の採点規定」による点数化。さらに4観点(内容、
構成、語彙、文法)の観点別のクラス平均や4観点総合の平均の変化を追う。
3.接続詞の使用数の変化を追う。
4.代名詞の使用数の変化を追う。
5.Post―testと事後アンケートの実施。

授業の流れとしては3点あげる。
1.3人のグループを作り、生徒の身近な話題について書いた自由英作文を書く
2.グループで互いに見せ合い、内容、構成、語彙、文法などについて話し合う
3.指導者による個別の添削指導を行わず、生徒たちの力で書き直す作業を続けた。
  研究の結果を4点あげる。

1.Post―testでは、 Pre-testクラス平均56.4から71.9へ15.5の伸びを示した。
2.4観点のクラス平均の変化。
内容(1.56→2.94)構成(1.91→2.77)語彙(1.56→2.58)文法(1.69→2.71)の伸び
を示した。
3.接続詞の使用数の変化。
例としてbecause(0.03→0.94)の伸びを示した。
4.代名詞の使用数の変化。
例として主格it(0.13→0.23)の伸びを示した。
以上の結果から、writingの方法としてProcess Writingを取り入れ、接続詞や代名
詞を使った例文を提示や説明による指導を行うと、中学2年生でも、意味のある内
容を筋道立てて書こうとする意欲や態度を育てることができた。

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