No. 36 支部企画:関西支部 (2010年11月10日)
□■===================
★支部企画コーナー No. 36 関西支部
===================□■
===================
☆支部研究部会紹介: 「基礎理論研究部会」
籔内 智 (京都精華大学)
===================
外国語教育メディア学会関西支部基礎理論研究部会では、発足以来、テクニーク、
メソッド、アプローチという外国語教育に関わる3分野のうち、最も基礎的なアプ
ローチの部分を、心理言語学や認知科学などの関連諸領域を踏まえ、学問的・実証
的にとらえていくことを目標としてきました。1994年12月に本格的活動を再開し
て以来、1年間に10~11回の割合で開催してきました。基礎理論研究部会は、例会
とプロジェクトの二部構成になっています。例会はオープン参加形式で、文献の輪
読と研究発表を中心に行っています。それに加えて、部会のメンバー有志で構成さ
れるプロジェクト研究グループを組織して、共同研究を進めています(こちらはメ
ンバーが決まった時点でクローズドとなります)。今回は第6次の活動を中心に、
以下紹介します。
2009年4月にこの部会は第6次の活動を迎えました。今回は、例会として“L2
Speech Processing”をテーマに、日本人英語学習者の音声言語処理について研究を
進めていくことになりました。2009年度は、Bohn, O.-S. & Munro, M.J. (Eds.) (2007).
Language Experience in Second Language Speech Learning: In Honor of
James Emil Flege.
Amsterdam and Philadelphia: John Benjaminsを基本文献とし、その他関連する論文を
輪読しました。2010年度は、Heidi Riggenbach (Ed.) (2000). Perspectives on fluency.
University of Michigan Press: Michiganを基本文献とした輪読を行っています。輪読
に並行して、言語産出・理解に関する研究発表も行ってきました。以下は最近3回
の発表内容です。
「英語母語話者・非母語話者による英語の複文および重文の読み上げ時における音
声的特徴」 「日本人英語学習者の動詞下位範疇化情報の保持と利用―行動指標を通
して見た動詞他動性情報の利用度―」 「日本人英語学習者の単語における聴覚性プ
ライミング効果の検討」
また、新規のプロジェクト研究を来年度からスムーズに始動させるため、現在研究
テーマを検討中です。1月の例会にはテーマを決定し、2~3月を準備期間にあて、
4月から本格的な研究活動に入りたいと考えています。
この例会と並行して、プロジェクト研究が継続して行われました。このプロジェク
トは2007~2008年度の第5次例会「言語産出(language production)」から生まれ
たもので、具体的には、2007年度末から「日本人英語学習者の筆記による統語産出
―絵描写課題を用いた統語的プライミング実験」という切り口で言語産出研究を進
めました。その成果の一端を以下の学会で発表しました。
1.2009年度全国英語教育学会鳥取研究大会(自由研究発表)2件:
「絵描写課題における統語構造の質的分析」
「日本人英語学習者の統語産出傾向―絵描写課題における量的分析から」
2.2010年度外国語教育メディア学会50周年記念全国研究大会(シンポジウ
ム):
「日本人英語学習者の言語産出における統語的プライミング効果―絵描写課題によ
る検討―」
3.2010年度日本認知科学会第27回大会(ポスター発表):
「日本人英語学習者の統語産出傾向―統語的プライミング実験による検討―」
さて、上にも書きましたが、来年度の基礎理論研究部会プロジェクト研究のテーマ
がそろそろ決まります。「基礎理論研究部会」という名称から、何となく固いイ
メージを持つ方がおられるかもしれませんが、部会はいたってアットホームで、ま
た、外国語教育への応用も視野に入れて活動をしています。新入部会員も大歓迎い
たします。このテーマに関心をお持ち方がおられましたら、是非お誘い合わせご参
加いただきますようお願いいたします。この基礎理論研究部会に新鮮な風を吹かせ
てくださるかたがたのご参加を心よりお待ちしております。
★支部企画コーナー No. 36 関西支部
===================□■
===================
☆支部研究部会紹介: 「基礎理論研究部会」
籔内 智 (京都精華大学)
===================
外国語教育メディア学会関西支部基礎理論研究部会では、発足以来、テクニーク、
メソッド、アプローチという外国語教育に関わる3分野のうち、最も基礎的なアプ
ローチの部分を、心理言語学や認知科学などの関連諸領域を踏まえ、学問的・実証
的にとらえていくことを目標としてきました。1994年12月に本格的活動を再開し
て以来、1年間に10~11回の割合で開催してきました。基礎理論研究部会は、例会
とプロジェクトの二部構成になっています。例会はオープン参加形式で、文献の輪
読と研究発表を中心に行っています。それに加えて、部会のメンバー有志で構成さ
れるプロジェクト研究グループを組織して、共同研究を進めています(こちらはメ
ンバーが決まった時点でクローズドとなります)。今回は第6次の活動を中心に、
以下紹介します。
2009年4月にこの部会は第6次の活動を迎えました。今回は、例会として“L2
Speech Processing”をテーマに、日本人英語学習者の音声言語処理について研究を
進めていくことになりました。2009年度は、Bohn, O.-S. & Munro, M.J. (Eds.) (2007).
Language Experience in Second Language Speech Learning: In Honor of
James Emil Flege.
Amsterdam and Philadelphia: John Benjaminsを基本文献とし、その他関連する論文を
輪読しました。2010年度は、Heidi Riggenbach (Ed.) (2000). Perspectives on fluency.
University of Michigan Press: Michiganを基本文献とした輪読を行っています。輪読
に並行して、言語産出・理解に関する研究発表も行ってきました。以下は最近3回
の発表内容です。
「英語母語話者・非母語話者による英語の複文および重文の読み上げ時における音
声的特徴」 「日本人英語学習者の動詞下位範疇化情報の保持と利用―行動指標を通
して見た動詞他動性情報の利用度―」 「日本人英語学習者の単語における聴覚性プ
ライミング効果の検討」
また、新規のプロジェクト研究を来年度からスムーズに始動させるため、現在研究
テーマを検討中です。1月の例会にはテーマを決定し、2~3月を準備期間にあて、
4月から本格的な研究活動に入りたいと考えています。
この例会と並行して、プロジェクト研究が継続して行われました。このプロジェク
トは2007~2008年度の第5次例会「言語産出(language production)」から生まれ
たもので、具体的には、2007年度末から「日本人英語学習者の筆記による統語産出
―絵描写課題を用いた統語的プライミング実験」という切り口で言語産出研究を進
めました。その成果の一端を以下の学会で発表しました。
1.2009年度全国英語教育学会鳥取研究大会(自由研究発表)2件:
「絵描写課題における統語構造の質的分析」
「日本人英語学習者の統語産出傾向―絵描写課題における量的分析から」
2.2010年度外国語教育メディア学会50周年記念全国研究大会(シンポジウ
ム):
「日本人英語学習者の言語産出における統語的プライミング効果―絵描写課題によ
る検討―」
3.2010年度日本認知科学会第27回大会(ポスター発表):
「日本人英語学習者の統語産出傾向―統語的プライミング実験による検討―」
さて、上にも書きましたが、来年度の基礎理論研究部会プロジェクト研究のテーマ
がそろそろ決まります。「基礎理論研究部会」という名称から、何となく固いイ
メージを持つ方がおられるかもしれませんが、部会はいたってアットホームで、ま
た、外国語教育への応用も視野に入れて活動をしています。新入部会員も大歓迎い
たします。このテーマに関心をお持ち方がおられましたら、是非お誘い合わせご参
加いただきますようお願いいたします。この基礎理論研究部会に新鮮な風を吹かせ
てくださるかたがたのご参加を心よりお待ちしております。