No. 6 支部企画:関西支部 (2005年07月10日)
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★支部企画コーナー No.6 関西支部
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関西支部の春季大会は5月21日に同志社大学で開催されました。この春季大会
の目玉の一つが、「電子辞書を授業に活かす」と題したワークショップでした。
今回は、このワークショップの様子をご報告いたします。
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報告:ワークショップ「電子辞書を授業に活かす」
名部井敏代(関西大学)・佐々木顕彦(関西学院中学部)
【関西支部ニュースレター報告原稿担当者:
泉 恵美子(大阪商業大学)・山中由香(関西大学大学院)・
和気康弘(大阪府立寝屋川高等学校)・住 政二郎(関西大学大学院)】
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このワークショップは、賛助会員であるセイコーインスツルとカシオ計算機のご
協力のもと、午前中に50分のセッションが各社2回開催されました。どちらのセッ
ションも定員いっぱいで、合計60名の参加者が集まりました。
セイコーインスツルによるワークショップでは、滋賀県立八幡商業高校教諭の山
添孝夫先生が、辞書指導の一環として、洋楽の翻訳に取り組む授業の様子をご紹
介くださいました。セイコーインスツルは「全国中学校・高等学校電子辞書洋楽
翻訳選手権」を主催しており、山添先生のクラスでは、授業時間に応募作品作り
を行っていました。ワークショップで上映されたビデオでは、生徒たちが曲を聴
きながらフレーズに分割し、さらに分割したものを文にまとめ、辞書で語義を確
認しながら翻訳をしていく様子が紹介されました。山添先生は、辞書引きの段階
で起きる問題、例えば訳語の選択方法、助動詞のニュアンスの違い、イディオム
における誤解、見つからない語の探し方など、生徒が間違えやすいポイントや辞
書の使い方のコツなどを詳しく説明し、さらに、曲の場面や使う言語のスタイル
の設定、登場人物の関係などを生徒に考えさせ、頭の中にドラマを作ってから翻
訳するよう指導されています。続いて、課題曲"Hearts”に取り組んだ生徒の作
品例が紹介され、個性あふれる力作に、会場では賞賛の声が聞かれました。山添
先生のワークショップは、電子辞書でも紙の辞書でも、「言葉」を引きながら、
ぴったりする「ことば」を探し出す楽しさを体験させる授業の一例を示すもので
した。
一方、カシオ計算機によるワークショップでは、達人先生としておなじみの谷口
幸夫先生(東京都立戸山高校教諭)を講師に、英英辞典を活用した授業活動を体
験しました。こちらのワークショップは、ハンズオン形式。参加者は1人1台ず
つ電子辞書のデモ機を実際に用いながら、ペアワークに挑戦しました。最初の課
題は、「コンビニで売っている商品を英語で説明しよう」でした。コンビニにあ
る商品を英英辞典で引き、その英語の定義をパートナーに読み聞かせ、品物を当
ててもらうという活動です。会場には少し大きめの音に設定されたCDプレーヤー
の音楽が響くものですから、参加者はついつい大声に。正解が得られれば、ペア
はハイタッチを交わすという、体育会系の授業展開。普段は中学、高校、大学で
教鞭をとる参加者たちが、まるで中学生に戻ったかのような騒ぎでした。英和・
和英・英英辞典、さらに広辞苑まで搭載され、ジャンプ機能で検索できる電子辞
書だからこそできる、「ことばの発見」に誘う授業活動の実践後は、奥行きある
辞書の利用方法が説明されました。例えば、ロングマンの英英辞書にみられる、
英語学習者を意識した定義への配慮に、参加者は感嘆しきりでした。
どちらのワークショップも、一方は英語から日本語をつむぎだす「英和辞典」の
活用、他方は身近なものを英語で説明し英語で理解する「英英辞典」の活用と、
使う辞書や活動のアウトプット形態は違いましたが、「学習者が辞書を通して
『ことば』を再発見できる授業活動」の紹介という点で、参加者には有意義なも
のでした。これらワークショップに先立って行われた春季大会開会行事では、
「朝早くからお越しくださった参加者の皆さんを失望させません」と関西支部長
が宣言しましたが、その約束は十分果たされたのではないでしょうか。春季大会
企画委員の先生方、特にこのワークショップを企画し司会進行を勤められた竹内
理先生、小山敏子先生に感謝を表したいと思います。これからも、関西支部では、
支部大会参加者の皆さんに喜んでいただけるプログラムを企画していきたいと思
います。
★支部企画コーナー No.6 関西支部
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関西支部の春季大会は5月21日に同志社大学で開催されました。この春季大会
の目玉の一つが、「電子辞書を授業に活かす」と題したワークショップでした。
今回は、このワークショップの様子をご報告いたします。
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報告:ワークショップ「電子辞書を授業に活かす」
名部井敏代(関西大学)・佐々木顕彦(関西学院中学部)
【関西支部ニュースレター報告原稿担当者:
泉 恵美子(大阪商業大学)・山中由香(関西大学大学院)・
和気康弘(大阪府立寝屋川高等学校)・住 政二郎(関西大学大学院)】
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このワークショップは、賛助会員であるセイコーインスツルとカシオ計算機のご
協力のもと、午前中に50分のセッションが各社2回開催されました。どちらのセッ
ションも定員いっぱいで、合計60名の参加者が集まりました。
セイコーインスツルによるワークショップでは、滋賀県立八幡商業高校教諭の山
添孝夫先生が、辞書指導の一環として、洋楽の翻訳に取り組む授業の様子をご紹
介くださいました。セイコーインスツルは「全国中学校・高等学校電子辞書洋楽
翻訳選手権」を主催しており、山添先生のクラスでは、授業時間に応募作品作り
を行っていました。ワークショップで上映されたビデオでは、生徒たちが曲を聴
きながらフレーズに分割し、さらに分割したものを文にまとめ、辞書で語義を確
認しながら翻訳をしていく様子が紹介されました。山添先生は、辞書引きの段階
で起きる問題、例えば訳語の選択方法、助動詞のニュアンスの違い、イディオム
における誤解、見つからない語の探し方など、生徒が間違えやすいポイントや辞
書の使い方のコツなどを詳しく説明し、さらに、曲の場面や使う言語のスタイル
の設定、登場人物の関係などを生徒に考えさせ、頭の中にドラマを作ってから翻
訳するよう指導されています。続いて、課題曲"Hearts”に取り組んだ生徒の作
品例が紹介され、個性あふれる力作に、会場では賞賛の声が聞かれました。山添
先生のワークショップは、電子辞書でも紙の辞書でも、「言葉」を引きながら、
ぴったりする「ことば」を探し出す楽しさを体験させる授業の一例を示すもので
した。
一方、カシオ計算機によるワークショップでは、達人先生としておなじみの谷口
幸夫先生(東京都立戸山高校教諭)を講師に、英英辞典を活用した授業活動を体
験しました。こちらのワークショップは、ハンズオン形式。参加者は1人1台ず
つ電子辞書のデモ機を実際に用いながら、ペアワークに挑戦しました。最初の課
題は、「コンビニで売っている商品を英語で説明しよう」でした。コンビニにあ
る商品を英英辞典で引き、その英語の定義をパートナーに読み聞かせ、品物を当
ててもらうという活動です。会場には少し大きめの音に設定されたCDプレーヤー
の音楽が響くものですから、参加者はついつい大声に。正解が得られれば、ペア
はハイタッチを交わすという、体育会系の授業展開。普段は中学、高校、大学で
教鞭をとる参加者たちが、まるで中学生に戻ったかのような騒ぎでした。英和・
和英・英英辞典、さらに広辞苑まで搭載され、ジャンプ機能で検索できる電子辞
書だからこそできる、「ことばの発見」に誘う授業活動の実践後は、奥行きある
辞書の利用方法が説明されました。例えば、ロングマンの英英辞書にみられる、
英語学習者を意識した定義への配慮に、参加者は感嘆しきりでした。
どちらのワークショップも、一方は英語から日本語をつむぎだす「英和辞典」の
活用、他方は身近なものを英語で説明し英語で理解する「英英辞典」の活用と、
使う辞書や活動のアウトプット形態は違いましたが、「学習者が辞書を通して
『ことば』を再発見できる授業活動」の紹介という点で、参加者には有意義なも
のでした。これらワークショップに先立って行われた春季大会開会行事では、
「朝早くからお越しくださった参加者の皆さんを失望させません」と関西支部長
が宣言しましたが、その約束は十分果たされたのではないでしょうか。春季大会
企画委員の先生方、特にこのワークショップを企画し司会進行を勤められた竹内
理先生、小山敏子先生に感謝を表したいと思います。これからも、関西支部では、
支部大会参加者の皆さんに喜んでいただけるプログラムを企画していきたいと思
います。