Home > No. 26 支部企画:九州・沖縄支部
No. 26 支部企画:九州・沖縄支部 (2009年12月10日)
□■===================
★支部企画コーナー No. 26 九州・沖縄支部
===================□■
===========
☆研究プロジェクト紹介
===========
リーディング・アイランド九州沖縄プロジェクト
~ インタラクティブな読書コミュニティの開発研究 ~
水野 邦太郎 (福岡県立大学)
九州沖縄の大学を核に,オンラインで互いに洋書を紹介し合い語り合う「読書コミュニティ (IRC: Interactive Reading Community)」創りを,2009年度後期からスタートさせました.以下9の大学から,のべ500名の学生が参加しています(http://ilc.eknowhow.jp/irc4/):福岡県立大学,福岡大学,宮崎県立看護大学,琉球大学,熊本大学,熊本県立大学,同志社大学,上智大学,山形大学.
本プロジェクトでは,「他者」と関わる読書環境づくりが,学生たちの読みの質や読書の動機にどのような影響を及ぼすかについて調査研究を行うことを,研究課題として掲げています.プロジェクトの報告を,2010年6月5日に開催される「第40回LET九州・沖縄支部研究大会―支部設立40周年記念大会―(場所:ハウステンボス)」のテーマ別分科会で発表する予定です.
また,プロジェクト結成の記念に,参加大学の教員と学生が中心となって執筆した洋書読書のガイドブックを,アルクと大学生協とのタイアップで来年の3月に出版する予定です.全国の大学生に「洋書読書は楽しい」というメッセージを伝えたいと思っています.以下,今学期,IRCに参加されている先生方からの声を,沖縄・宮崎・京都から順々にお届けいたします.
琉球大学 東矢光代先生から
多読の授業は5年前からリーディングの担当になった学期に行なってきましたが,その2年前からPleasure Reading を試みていました.その当時は図書館の協力を得て,BBSによる受講生の意見交換を取り入れたりもしていましたが,思うところがあり,この5年間はオンラインを利用していませんでした.今回水野先生のIRCを知り,「読書体験のシェアをオンラインで行なう」ことに今学期,再挑戦しています.オンラインの良さは何と言っても「教室を超える」ことですが,以前の私の試みと異なり,他大学との交流を行なうことで「ネットに書き込む意義」が引き出されると感じています.
先日学生をIRCに登録させた時,中学生のとき読んだ漫画の英語版に関する他大学の感想を見つけ,即座にコメントを書いた学生がいて,大変感銘を受けました.IRCのような場が学生の英語読書に対する意欲にどう影響するのか,今後それを探って行きたいと思います.
宮崎県立看護大学 川北直子先生から
宮崎県立看護大学では,Extensive Readingを受講する約100名の1年生がIRCに参加しています.最初の出会いは2003年,専門領域でいずれ必要になる長い英文を読む事への拒否感をなくす仕組みを模索していた頃,IRCを偶然WEB上で見つけ,「面白そう!」と,当時東京にいらした水野先生をお訪ねし,1年間IRCに参加させていただきました.
その後,学内でIRC風授業を続けていましたが,今年,交流の輪を広げたIRCに久々に参加させていただきました.「他の人のレポートを読んで本に興味がわいた」「自分の本の紹介にコメントが来ると嬉しい」という声,例年になく読書量を競う学生達を見て,学外交流効果を感じます.意欲の波や様々な感情を抱える学生との関わり方,全体をよい空気で運営していく為の細々とした指導が常に課題ですが,教員間での問題共有・情報交換が活発になると,さらによい効果が得られるのではないかと思います.
同志社大学 西納春雄先生から
2006年度より多読を授業に取り入れています。当初は多読活動を授業外の課題とし、紙ベースでのレポートを提出、それを担当者が回収してコメントをつける形で開始しました。2007年度以降は、多読を授業の主たる活動として位置づけたクラスを毎年1つ担当しています。Moodle上のBBSに発言形式を定めたレポートを提出して学習者相互の意見交換の場を設け、かつ独自フォーマットの語彙リストを提出することで読書内容やレベルのチェックを行いました。標準テストを実施し、多読活動は習熟度レベルにかかわらず学習者の英語の総合的実力を向上させるという結果を得ています。
このたび念願のIRCに参加させていただき、学外に広く開かれた活動となることで、学生達もいささか緊張しつつレポートを提出しているようです。今学期は課外の学習活動と位置づけましたが、学生達の反応を見ながら、来年度春学期から本格的に活用していきたいと考えています。
福岡県立大学の様子については,以下のページを参考にしていただけたら幸いです.
http://kyushu.seikyou.ne.jp/fpu-coop/hondana.html
本プロジェクトでは,「本と人・人と人との絆を結ぶ互恵的な読書環境の創出」を,全国へ普及させていきたいと思っています.プロジェクト参加に興味がございましたら,水野(福岡県立大学)までご連絡ください(kmizuno@fukuoka-pu.ac.jp).IRCにアクセスするための先生用のゲストアカウントがございます.
2010年6月5日,長崎県のハウステンボスで開催される「第40回LET九州・沖縄支部設立40周年記念大会―」に,全国の先生方のご参加をお待ちしております☆
★支部企画コーナー No. 26 九州・沖縄支部
===================□■
===========
☆研究プロジェクト紹介
===========
リーディング・アイランド九州沖縄プロジェクト
~ インタラクティブな読書コミュニティの開発研究 ~
水野 邦太郎 (福岡県立大学)
九州沖縄の大学を核に,オンラインで互いに洋書を紹介し合い語り合う「読書コミュニティ (IRC: Interactive Reading Community)」創りを,2009年度後期からスタートさせました.以下9の大学から,のべ500名の学生が参加しています(http://ilc.eknowhow.jp/irc4/):福岡県立大学,福岡大学,宮崎県立看護大学,琉球大学,熊本大学,熊本県立大学,同志社大学,上智大学,山形大学.
本プロジェクトでは,「他者」と関わる読書環境づくりが,学生たちの読みの質や読書の動機にどのような影響を及ぼすかについて調査研究を行うことを,研究課題として掲げています.プロジェクトの報告を,2010年6月5日に開催される「第40回LET九州・沖縄支部研究大会―支部設立40周年記念大会―(場所:ハウステンボス)」のテーマ別分科会で発表する予定です.
また,プロジェクト結成の記念に,参加大学の教員と学生が中心となって執筆した洋書読書のガイドブックを,アルクと大学生協とのタイアップで来年の3月に出版する予定です.全国の大学生に「洋書読書は楽しい」というメッセージを伝えたいと思っています.以下,今学期,IRCに参加されている先生方からの声を,沖縄・宮崎・京都から順々にお届けいたします.
琉球大学 東矢光代先生から
多読の授業は5年前からリーディングの担当になった学期に行なってきましたが,その2年前からPleasure Reading を試みていました.その当時は図書館の協力を得て,BBSによる受講生の意見交換を取り入れたりもしていましたが,思うところがあり,この5年間はオンラインを利用していませんでした.今回水野先生のIRCを知り,「読書体験のシェアをオンラインで行なう」ことに今学期,再挑戦しています.オンラインの良さは何と言っても「教室を超える」ことですが,以前の私の試みと異なり,他大学との交流を行なうことで「ネットに書き込む意義」が引き出されると感じています.
先日学生をIRCに登録させた時,中学生のとき読んだ漫画の英語版に関する他大学の感想を見つけ,即座にコメントを書いた学生がいて,大変感銘を受けました.IRCのような場が学生の英語読書に対する意欲にどう影響するのか,今後それを探って行きたいと思います.
宮崎県立看護大学 川北直子先生から
宮崎県立看護大学では,Extensive Readingを受講する約100名の1年生がIRCに参加しています.最初の出会いは2003年,専門領域でいずれ必要になる長い英文を読む事への拒否感をなくす仕組みを模索していた頃,IRCを偶然WEB上で見つけ,「面白そう!」と,当時東京にいらした水野先生をお訪ねし,1年間IRCに参加させていただきました.
その後,学内でIRC風授業を続けていましたが,今年,交流の輪を広げたIRCに久々に参加させていただきました.「他の人のレポートを読んで本に興味がわいた」「自分の本の紹介にコメントが来ると嬉しい」という声,例年になく読書量を競う学生達を見て,学外交流効果を感じます.意欲の波や様々な感情を抱える学生との関わり方,全体をよい空気で運営していく為の細々とした指導が常に課題ですが,教員間での問題共有・情報交換が活発になると,さらによい効果が得られるのではないかと思います.
同志社大学 西納春雄先生から
2006年度より多読を授業に取り入れています。当初は多読活動を授業外の課題とし、紙ベースでのレポートを提出、それを担当者が回収してコメントをつける形で開始しました。2007年度以降は、多読を授業の主たる活動として位置づけたクラスを毎年1つ担当しています。Moodle上のBBSに発言形式を定めたレポートを提出して学習者相互の意見交換の場を設け、かつ独自フォーマットの語彙リストを提出することで読書内容やレベルのチェックを行いました。標準テストを実施し、多読活動は習熟度レベルにかかわらず学習者の英語の総合的実力を向上させるという結果を得ています。
このたび念願のIRCに参加させていただき、学外に広く開かれた活動となることで、学生達もいささか緊張しつつレポートを提出しているようです。今学期は課外の学習活動と位置づけましたが、学生達の反応を見ながら、来年度春学期から本格的に活用していきたいと考えています。
福岡県立大学の様子については,以下のページを参考にしていただけたら幸いです.
http://kyushu.seikyou.ne.jp/fpu-coop/hondana.html
本プロジェクトでは,「本と人・人と人との絆を結ぶ互恵的な読書環境の創出」を,全国へ普及させていきたいと思っています.プロジェクト参加に興味がございましたら,水野(福岡県立大学)までご連絡ください(kmizuno@fukuoka-pu.ac.jp).IRCにアクセスするための先生用のゲストアカウントがございます.
2010年6月5日,長崎県のハウステンボスで開催される「第40回LET九州・沖縄支部設立40周年記念大会―」に,全国の先生方のご参加をお待ちしております☆