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No. 16 支部企画:中部支部 (2009年02月10日)
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★支部企画コーナー No. 16 中部支部
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☆支部長インタビュー
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中学高校英語教育研究部会の部会長である伊藤佳貴先生(大同工業大学大同
高等学校)に、中部支部長の柳がインタビューしました。
(1) 中学高校英語教育研究部会の趣旨などを教えて下さい。どういう分野を
扱っていて、対象としているのはどういう人たちでしょうか?
中学高校英語教育研究部会は、中等教育における英語教育の研究を行う
グループです。活動の内容は、授業の実践報告や英語教育の研究・開発に
ついて発表形式で行う研究発表会と、テーマを決めてディスカッションをする
討論会を中心に行っております。研究発表会とは言っても、研究大会での研究
発表とは若干異なり、参会者が、実際に授業の中身を体験したりすることが
出来るなど、ワークショップに近い形式になります。主なメンバーは、中学・高校
の英語教員や、将来教員を目指している大学院生の方々が中心になりますが、
英語教育に関心のある方であればどなたでも歓迎です。
(2) 設立のきっかけを教えて下さい?
中学や高校に勤務するLETメンバーの方々とは、研究大会でお会いするたびに、
「研究大会だけでは議論し尽くせない」、「これほど収穫の多い学会を年数回行う
だけとは実に惜しい」、「中高のメンバーで何か新しい取り組みをできないか」など
熱く語り合っておりました。こうしたやりとりが何年も続いていたわけですが、メン
バーそれぞれが校務などで追われる現実もあり、なかなか研究部会設立まで
には至りませんでした。しかしながら、そのようなやりとりを単なる時候の挨拶と
して終わらせてはいけないという思いから、2006年春に研究部会を設立するに
至りました。理想的には、研究部会での取り組みを通して、この中高部会から
新しい英語教育の流れを作っていきたいという思いがあるのですが、現実には、
何とか運営している状況です。
(3) 高校の現場にいらっしゃって、お忙しい中で研究部会を続けていけるこつは
何でしょうか?
確かに実際の運営を始めると、部会を開催するのには苦労しました。いや、今も
苦労しています(笑)。研究会に参加される先生方からも、職場では、分掌や学年
会、部活動といった仕事が時間的に大半を占め、英語指導のための時間を捻出
することが大変だとお聞きします。実際、研究会の前日に参加予定者から、急な
校務が入り参加できなくなったという連絡は頻繁にあります。しかし同時に、参加
される先生方からは、こういう状況だからこそ、英語教師としてこのような研究会
の存在が必要なのだと伺います。そして、参加される先生方に共通するのは、
「今抱えている指導上の問題を何とか解決できないか」「今の指導方法に何か
新しく手を加えることで改善できないか」など、それぞれの指導に懸命に取り組ま
れている方々だということです。このような先生方の積極的な参加に支えられる
ことで、何とか部会を維持できている状況です。
(4) 最近の例会の内容はどのようなものでしょうか?
「音読指導」、「ALTとのティームティーチング」、「シャドーイング」、「語彙習
得」 、「オールイングリッシュの授業」、「時事英語の教材と指導」、「海外語学
研修」など最近の研究発表テーマを挙げただけでも、その内容は多岐に渡りま
す。皆さんそれぞれに、他の英語教師がどのような授業を行っているかについ
ての興味、関心はあると思うのですが、実際にその先生の授業を見学しに行く
という機会は、なかなか得られませんよね。先ほども申し上げましたが、この
部会では、発表の中で解説される学習活動などを、生徒役になって実際に
体験することができます。実際に体験することで、その先生の授業風景を垣間
見ることができるばかりでなく、明日の自分の授業で活用可能であるかを試す
チャンスにもなります。発想は、スーパーの試食販売と同じですね(笑)。
(5) 今回の学習指導要領の改訂など、中学校や高等学校にも大きな影響が
あると思いますが、この研究部会はそれにどのような貢献ができるとお考えで
しょうか?
新学習指導要領では、中学・高校での英語指導について、内容や形式で様々な
変更がされておりますが、中高に共通する一つのキーワードとして、「発信型の
英語教育」を挙げることができます。今後の中高部会では、スピーチやディベート
など、発信型の英語指導に焦点をあてた研究を行う計画をしております。また、
本学会の特徴であるマルチメディア(電子メール、チャット、ブログ、スカイプ等)
を活用した指導方法についても、実践者を募りながら研究を進めていきます。
また、新学習指導要領では、高校での授業は「英語で行うのが基本」との強化策
が打ち出されましたが、中高部会では、以前より「オールイングリッシュの授業」
についての議論を重ねて参りました。今年はこれを発展させて、オールイングリッ
シュの授業実践者養成を目指したワーキンググループを結成し、研究活動を行う
ことを計画しております。
(6) これからの抱負などをお聞かせ下さい。
さきほどもお話ししましたが、中高部会では、「発信型の英語教育」「メディア活用
の英語指導」「オールイングリッシュの授業研究」などの具体的テーマを掲げ、
これから研究活動を行っていく所存であります。また、これらの活動を通して得ら
れた指導案や教材などのリソースについては、ウエブサイト上で共有できるよう、
システム作りにも取り組んでいきたいと考えております。
これからも、どうぞ宜しくお願い致します。
報告者: 柳 善和 (名古屋学院大学)
★支部企画コーナー No. 16 中部支部
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☆支部長インタビュー
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中学高校英語教育研究部会の部会長である伊藤佳貴先生(大同工業大学大同
高等学校)に、中部支部長の柳がインタビューしました。
(1) 中学高校英語教育研究部会の趣旨などを教えて下さい。どういう分野を
扱っていて、対象としているのはどういう人たちでしょうか?
中学高校英語教育研究部会は、中等教育における英語教育の研究を行う
グループです。活動の内容は、授業の実践報告や英語教育の研究・開発に
ついて発表形式で行う研究発表会と、テーマを決めてディスカッションをする
討論会を中心に行っております。研究発表会とは言っても、研究大会での研究
発表とは若干異なり、参会者が、実際に授業の中身を体験したりすることが
出来るなど、ワークショップに近い形式になります。主なメンバーは、中学・高校
の英語教員や、将来教員を目指している大学院生の方々が中心になりますが、
英語教育に関心のある方であればどなたでも歓迎です。
(2) 設立のきっかけを教えて下さい?
中学や高校に勤務するLETメンバーの方々とは、研究大会でお会いするたびに、
「研究大会だけでは議論し尽くせない」、「これほど収穫の多い学会を年数回行う
だけとは実に惜しい」、「中高のメンバーで何か新しい取り組みをできないか」など
熱く語り合っておりました。こうしたやりとりが何年も続いていたわけですが、メン
バーそれぞれが校務などで追われる現実もあり、なかなか研究部会設立まで
には至りませんでした。しかしながら、そのようなやりとりを単なる時候の挨拶と
して終わらせてはいけないという思いから、2006年春に研究部会を設立するに
至りました。理想的には、研究部会での取り組みを通して、この中高部会から
新しい英語教育の流れを作っていきたいという思いがあるのですが、現実には、
何とか運営している状況です。
(3) 高校の現場にいらっしゃって、お忙しい中で研究部会を続けていけるこつは
何でしょうか?
確かに実際の運営を始めると、部会を開催するのには苦労しました。いや、今も
苦労しています(笑)。研究会に参加される先生方からも、職場では、分掌や学年
会、部活動といった仕事が時間的に大半を占め、英語指導のための時間を捻出
することが大変だとお聞きします。実際、研究会の前日に参加予定者から、急な
校務が入り参加できなくなったという連絡は頻繁にあります。しかし同時に、参加
される先生方からは、こういう状況だからこそ、英語教師としてこのような研究会
の存在が必要なのだと伺います。そして、参加される先生方に共通するのは、
「今抱えている指導上の問題を何とか解決できないか」「今の指導方法に何か
新しく手を加えることで改善できないか」など、それぞれの指導に懸命に取り組ま
れている方々だということです。このような先生方の積極的な参加に支えられる
ことで、何とか部会を維持できている状況です。
(4) 最近の例会の内容はどのようなものでしょうか?
「音読指導」、「ALTとのティームティーチング」、「シャドーイング」、「語彙習
得」 、「オールイングリッシュの授業」、「時事英語の教材と指導」、「海外語学
研修」など最近の研究発表テーマを挙げただけでも、その内容は多岐に渡りま
す。皆さんそれぞれに、他の英語教師がどのような授業を行っているかについ
ての興味、関心はあると思うのですが、実際にその先生の授業を見学しに行く
という機会は、なかなか得られませんよね。先ほども申し上げましたが、この
部会では、発表の中で解説される学習活動などを、生徒役になって実際に
体験することができます。実際に体験することで、その先生の授業風景を垣間
見ることができるばかりでなく、明日の自分の授業で活用可能であるかを試す
チャンスにもなります。発想は、スーパーの試食販売と同じですね(笑)。
(5) 今回の学習指導要領の改訂など、中学校や高等学校にも大きな影響が
あると思いますが、この研究部会はそれにどのような貢献ができるとお考えで
しょうか?
新学習指導要領では、中学・高校での英語指導について、内容や形式で様々な
変更がされておりますが、中高に共通する一つのキーワードとして、「発信型の
英語教育」を挙げることができます。今後の中高部会では、スピーチやディベート
など、発信型の英語指導に焦点をあてた研究を行う計画をしております。また、
本学会の特徴であるマルチメディア(電子メール、チャット、ブログ、スカイプ等)
を活用した指導方法についても、実践者を募りながら研究を進めていきます。
また、新学習指導要領では、高校での授業は「英語で行うのが基本」との強化策
が打ち出されましたが、中高部会では、以前より「オールイングリッシュの授業」
についての議論を重ねて参りました。今年はこれを発展させて、オールイングリッ
シュの授業実践者養成を目指したワーキンググループを結成し、研究活動を行う
ことを計画しております。
(6) これからの抱負などをお聞かせ下さい。
さきほどもお話ししましたが、中高部会では、「発信型の英語教育」「メディア活用
の英語指導」「オールイングリッシュの授業研究」などの具体的テーマを掲げ、
これから研究活動を行っていく所存であります。また、これらの活動を通して得ら
れた指導案や教材などのリソースについては、ウエブサイト上で共有できるよう、
システム作りにも取り組んでいきたいと考えております。
これからも、どうぞ宜しくお願い致します。
報告者: 柳 善和 (名古屋学院大学)