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No. 12 野澤 健 (関西支部) (2005年12月10日)

カテゴリー: General
立命館大学経済学部の野澤です。広島市立大学の渡辺先生のご紹介にありました
とおり、渡辺先生とは共に大学の4年間を過ごしました。

立命館大学経済学部では2006年度の新学科設置に伴い、大幅にカリキュラムを変
更することになり、現在日常の仕事にその準備が加わり忙しい毎日を送っていま
す。今回の改革は、昨年の秋から構想を話し合い、今年の夏にやっと全体の骨格
が決まりました。英語のカリキュラム全体としては、リーディングとライティン
グに特に力を入れたものになっていますが、学内に既にあるCALLシステムの有効
活用も大きな課題でした。CALLシステムの活用法を検討するにあたり、共通の理
解が得られたのは、我々は英語教育の専門家であってもCALLシステムを使った学
習プログラム開発については素人であり、見様見真似でシステムを開発する労力
を考えれば、市販のプログラムを使う方が賢明であるということでした。また
CALLシステム開発に秀でた人が中にいたとしても、何らかの理由でその人が不在
中に問題が発生した時は、全てがストップすることになりかねないということも
市販のプログラムを選択した理由でした。

現在学内にあるCALLのシステムを使って何をするかということも教材選択の大き
なポイントでした。前回のカリキュラム改革に携われた方々には申し訳ありませ
んが、現行のカリキュラムではCALLとその他の授業が別々に存在し、互いを補完
する関係にはなっていません。新しいカリキュラムでは学生に求められるスキル
を考察し、どのスキルをどの科目で伸ばすことを目指すかを検討して、CALLを使っ
た授業の担当領域を決めました。どの科目も入学後の最初の学期では、スキル中
心の内容とし、学期進行とともにコンテント中心に移行するように内容を考えま
した。CALLの授業ではそれまで本学では軽視されてきた学生の英語の発音向上を
目指すこととし、CALLの特性であるいつでもどこでも学習できることを活かすた
め自学自習のプログラムを導入することにしました。ここで前述の市販のプログ
ラムが登場します。

学内外で複数の教材を見て比較検討しましたが、選定する際に最も重視したのは
学習効果が期待できるかどうかということと我々に管理できるかどうかというこ
とでした。最終的に、今回リレートークで私を紹介してくださった渡辺先生も開
発に参加されている「ぎゅっとe」を導入することに決めました。しかし、十分
な学習効果が得られるかは、教材の中身だけでなく活用方法も大切であるのはい
うまでもありません。単に教材を与えただけでは自ら学習することは期待できな
いということは経験上わかっていることです。

次回のリレートークは、千葉大学の椎名紀久子先生にバトンをお渡しします。椎
名先生とは数年前あるところでご一緒させていただく機会がありました。椎名先
生はリスニングの権威であり、CALL教材の開発や英語カリキュラムの構築も携れ
ています。

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