LET全国大会への参加、ありがとうございました。今回は4年ぶりの対面開催でしたが、400名を超える多くの方々にお運びいただくことができました。
初日のワークショップでは、新学期の授業で活用できるツールから今後の研究で役立つ分析方法に至るまで、多くのものをお持ち帰り頂けたと思います。二日間にわたる研究発表・ポスター発表では、具体的な実践報告から緻密な実証研究まで、様々な視点からの発表で多くの知見が得られたことと期待します。2つの基調講演では、言葉を学び教えるという営みの中で、我々語学教師がともすると忘れがちな基本的で重要な視点が確認され、商業的・貨幣的な価値観の波に呑まれてもまれている英語教育界で、見失うべきではない方向性が示されました。二日目の懇親会では、会場の空調機が悲鳴を上げるほどの熱い交流と宴を楽しむことができました。最終日のシンポジウムでは、音声技術の専門家や日米でご活躍のSLA研究者、さらに日本の学校現場にも詳しい専門家が、様々な問いかけに対してそれぞれの分野からの知見を返してくださり、とても密で噛み合った議論に多くの刺激を受けていただけたと思います。
今回の大会テーマ「外国語教育と『技術革新』:変わるもの、変わらないもの」は、最新の技術革新について探求する一方で、言葉の学びという、人間にとって生身の活動にそれがどう活かされ、ときにはどのような弊害ももたらしてしまうのかという両面を見据えたものでした。その意味では、数々の最新情報とともに、先を見通し足下をすくわれないための長期的な視座もとらえて頂けたのではないでしょうか。
これもひとえに全国からの参加者と、貴重な情報を共有してくださった登壇者、発表者の皆様、またその運営を陰で支えてくださった多くのスタッフによるところと思っております。この場をお借りして、深くお礼申し上げます。
来年度は、皆様と名古屋でお目にかかれることを楽しみにしております。
大会実行委員長
淡路佳昌