概要
日時 8月7日(日) 受付開始11:30
1限(12:30〜14:00)
2限(14:20〜15:50)
3限(16:10〜17:40)
会場 早稲田大学早稲田キャンパス11号館6階
〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1
参加費 1講座1000円
申込方法 事前申し込み(7月20日締切)
申し込みの流れ
(1)必要事項と、各時限の希望講座を選択して確認ページへ
(2)確認ページの内容を確認の上、送信(仮予約)
(3)仮予約確認メール(振込先情報)
(4)参加費を送金
(5)入金確認後に予約完了確認メール
(6)当日受け付けで整理番号とお名前を告げてチェックイン
注意事項
●参加には事前登録が必要です。当日のお申し込みはできませんのでご注意ください。
●当日、現金での参加費用支払いはできません。
●仮予約をしても、事前に入金が確認できない場合は仮予約は無効となる場合があります。迅速なお振り込みにご協力ください。
●いったん入金された参加費は、キャンセルや欠席の場合でも返金や他の講座への振り替えはできませんのでご注意ください。
●仮予約の内容を修正するには、いったんすべての内容をキャンセルをしてから、申し込みし直してください。
時間割表
1. 小学校英語
小学生も総合学習や情報教育でパソコンの操作に慣れてきている。タブレット端末を活用する学習環境が整えられている自治体も増え、「反転学習」というコトバも聞き慣れてきた。黒板と並んで電子ボードが教室におかれ、いろいろな教科のソフトも開発され、活用されている。小学校英語もこの新しい機器を駆使すると授業が変わるだろうか。子どもたちの学習が深まり、授業者は指導効果をあげられるだろうか。小学校における使用状況や授業を紹介しながら、これらの機器の活かし方を考えたい。
(2) 「小学校で行う英語音韻認識指導」ハビック真由香(MH International Education)
聞いて、話して、読んで、書く。4技能がそろった英語運用能力を養う基盤となるのは、音韻認識です。音韻認識とは、日本語の音韻構造には無い「音節」「母音+子音で成り立つ音の塊」「音素」についての感覚を養うことです。英語学習の初期段階で、この音韻認識を身に付けているかどうかは、その後の英語学習の難易度を左右する大きな要因となります。小学校の英語教育現場で活用できる、音韻認識の活動内容について具体的にお話させていただきます。
(3) 「読み聞かせ:英語表現力強化のための指導法」ハビック真由香(MH International Education)
会話によるコミュニケーション能力向上のためには、音声での表現力を強化することが必須です。そのための最もよい方法の一つとして、英語絵本の読み聞かせがあります。読み聞かせを題材として、日本人が不得意と言われている英語の発音をロジカルに解説します。また、リズムやイントネーションなど、英語らしい音声表現のコツをお伝えしますので、コミュニケーション能力の向上を図る指導のアイデアとして具体的に活用していただける内容です。
2. 授業改革
(1) 「セグメンタルにこだわりセグメンタルを超える発音指導 −次世代につなぐグルグル授業の形と役割−」靜哲人(大東文化大学)
Grant, L. (2014). Pronunciation myths: Applying second language research to classroom teaching. UMP に紹介されている主としてESLでの発音指導リサーチからの知見と提言の中から、日本のEFLに関連深いものを選択して検討した上で、発音指導を4技能の指導にシステマティックかつ統合的に組み込むための授業方法としての「グルグル」の基本原理を紹介し、小中高大における授業に組み込むためのバリエーションを提案します。参加人数にもよりますが参加者を学習者にみたてたミニ実演も行えればと思います。
(2) 「『リピート・アフター・ミー』で導入しない新出単語の発音」手島良(武蔵高等学校・中学校)
英語の初学者や苦手な生徒は、自力で英単語が読めず、英単語の綴りが書けない。何とか覚えようとして「ローマ字読み」で対処するが、単語の数だけローマ字読みと実際の発音の2通りを覚えるという不合理を強いられるだけでなく、新出語には応用が利かない。綴りと発音の指導(フォニックス)が解決への道だが、規則が多過ぎると敬遠されることがある。単語を一部分から提示していくことで、初見語も自力で読めることを実感させながら、綴りと発音への意識を高めつつ、規則を覚えさせる方法を提案したい。
(3) 「『繰り返し』『定着』を狙った授業作り~ラウンド制授業の取組~」西村秀之(横浜市教育委員会、元横浜市立南高等学校)
「英語を自分の言葉として状況、場面に応じて自由に自己表現できる生徒」を育てることを目指し考え始めた授業設計。その時に考えたことは、第二言語習得の理論で言われている(日本では外国語環境になるが)「大量のインプット」に、「スパイラル」という観点。それらを授業設計に生かせないかと、目標、生徒の姿と共に考え具現化されたのがラウンド制授業。中学校から高校での実践を踏まえながら具体例を紹介する予定です。
(4) 「英語授業での協同学習をどう進め、効果を高めるか ~すべての生徒の学び実現に向けて~」根岸恒雄(群馬県立女子大学・千葉商科大学非常勤講師)
講座・ワークショップという形でやらせて頂きます。(1)私と協同学習との関わり(学校が大きく変わった報告、生徒の声他)、(2)協同学習の定義、進め方、効果(3)協同的学びを成立させるための要件とその具体化、(4)私の具体的実践の紹介とワークショップ、(5)学習、実践の資料紹介、を計画しています。ワークショップとしては、基本文(文法)の学習から表現へ、英語の歌の導入と鑑賞、インプット活動等。実践紹介では、私の授業の進め方、卒業論文としてのMy Dream, My Opinionの執筆等を中心に考えています。
(5) 「ICTを活用するとこんな授業ができます! ~21世紀型の英語授業の形と役割~」瀧沢広人(埼玉県/寄居町立寄居中学校)
ICTの活用は、児童生徒を惹きつけ、効率的な英語授業を可能にします。パワーポイント上で、絵、写真、映像、音楽を組み合わせれば、異文化理解に関する授業、英文法の導入・展開・まとめ、本文の音読、英語ゲームなど、簡単に授業ができます。また、ICTを活用することで、授業時間の短縮になります。その浮いた時間で、補充や発展、コミュニケーション活動の時間に充てられます。ICT環境は、授業者が創るのです。ぜひ、ワークショップ・ネタをお楽しみください!
(6) 「授業改革のための第一歩:繰り返しを意識した定着活動」臼倉美里(東京学芸大学)
定着には「繰り返し」が不可欠である。単純に同じ活動を繰り返す,負荷をかけて同じ活動を繰り返す,同じ題材を繰り返し扱う,などその方法は様々ある。本ワークショップでは,日々の授業で行っている活動に少し工夫を加えることで,繰り返しの機会を生み出す方法を「授業改革の第一歩」と位置付けて紹介する。また,やや発展的な例として,DictoglossやRole-play with information gaps等の活動を紹介し,繰り返しを意識したこれらの活動の活用法を提案する。
3. 学び支援とICT
(1) 「TEDプレゼンなど,ウェブから取り込んだ好みの字幕付き映像で4技能(聴解読解発音作文)を授業内外で学習する試み」田淵龍二(ミント音声教育研究所)
TEDプレゼンなどのビデオやテキストをウェブから取り込み、字幕と音映像をチャンク提示するウェブプレーヤー・トーキーズ(http://www.mintap.com/talkies/talkies.html)による聴解・読解・発音・作文を統合した授業法を紹介する。タブレットや携帯端末があれば教室外でも課題学習ができる。中高でも使える短く分かりやすい文法コーパス例文での音声付穴埋め問題や、手軽な読解力測定ドリルは授業のモジュールとしても使える。
(2) 「Kahoot & Zaption: 教材・授業をさらにインタラクティブに」山内真理(千葉商科大学)
授業への活発な参加を促す、インタラクティブなクイズや動画教材を作成するツール、Kahoot及びZaptionをご紹介する。両者とも特別な知識がなくともすぐに使えるツールである。まず、実践での観察報告も交えながら、概要説明を兼ねた「教室での利用」のデモを行う。学生としてのツール利用を体験した上で、教員アカウントを作り、実際に教材を作成していただく。さらに、こうした教材を配信する手段としてLMS利用を含め、オプションをいくつかご紹介する。
(3) 「タブレットを用いて授業改革!―導入からアプリ活用法まで」小野雄一(筑波大学)
一人一台タブレットの方針が閣議決定されて以来、ICTを上手に活用した教授法が模索されている。一方、生徒・学生一人一人がタブレット端末を使用した授業を行うのにはさまざまな問題や課題が伴ってくる。本ワークショップは、導入に伴って起こってくる様々な問題点を概観した上で、「できることと無理なこと」を整理することから始める。そして、実際に授業を行う上での有効なアプリ、システム等を紹介し、ハンズオンを行う。
4. 研究分析手法
(1) 「エデュケーショナル・データマイニング入門―教育改善・意思決定のためのデータ活用―」石井雄隆(早稲田大学)
勘や経験ではなく,データに基づいた意思決定が教育現場で重視されつつあります。本ワークショップでは,現在,『英語教育』(大修館書店)で連載中の「データマイニングで英語教育はこう変わる!」に基づきながら,データマイニング手法を活用した英語教育研究について紹介したいと思います。実際に統計解析環境Rを用いて,アソシエーション分析や決定木分析などの実習も行う予定です。
(2) 「外国語学習・教育・授業の研究「方法論」入門 ―量的研究と非量的研究」寺沢拓敬(関西学院大学)
本ワークショップでは初学者を対象に外国語教育研究の「方法論」について論じる。ここでいう方法論とは単なるメソッド (method)のハウツーではなく、どのようなメソッドをいかなる根拠で選択するべきか、その理論的議論 (method(o)+logy)である。当日は、外国語教育研究で支配的な量的研究だけでなく、質的研究や歴史研究、数理的手法といった「非量的研究」を体系的に比較検討する。そして、各手法の長所・短所の理解を通して、主体的に研究手法が選択できるようになることを目指す。
(3) 「量的データを扱うときに知っておきたいこと:データの分布、有意性、効果量、信頼区間」浦野研先生(北海学園大学)
外国語教育に携わる私たちは、研究においてだけでなく、テストや成績処理といった場面で日ごろから数量化されたデータを扱っています。本ワークショップは、教育や研究で量的データを扱うときに知っておいた方がよい基本的なコンセプトとして、データの分布、有意性(検定)、効果量、信頼区間を取り上げ、表計算ソフトやウェブサービス等を利用して、実際にデータを分析しながらそのおおまかな仕組みを理解することを目指します。